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伯父さん

私の再就職先は、知的障碍者や精神障碍者の
就労を支援するNPO法人だった。

私がこの団体の求人に応募したのは、募集職種が
経理事務であったことはもちろんだが、その活動に
関心があったからだ。

私は厳密に言えば精神障碍者には該当しないから、
精神科に通院していることはクローズして応募した。


精神障碍者に対する支援内容にも関心があったが、
知的障害者に対する支援内容の方が、より興味を
そそられた。



母の長兄は幼少時に小児麻痺にかかり、その後遺症
で知的障害が残った。

早くから家を離れて、専門施設において監督者の下で
労働しながら集団生活を送っていた。

正月やお盆に母の実家に行くと、休みで帰省していた
伯父が出迎えてくれた。

子ども心にも、伯父が周囲の大人とは違った雰囲気
持っていることに気が付いていた。

無口だけれどいつもにこにこして、いたずらっぽい
(少年のような)まなざしをしていた。

私たちが帰るときは、「また来いな。」と言って
ずっと手を振ってくれた。


母のきょうだいは何故か「兄さん」「姉さん」と
いう呼び方はせず、名前で呼び合っていた。

だから私たちきょうだいは、伯父の障碍が理解
できる年齢になるまで、詳しいことを知らなかった。

伯父の障碍を知って、子ども心に感じた違和感
の説明がついた。

しかし、伯父に対する感情に変化はなかった。
いつまでも無邪気な伯父さんだった。

その伯父も歳を取って、現在は介護施設で
生活している。



私には「福祉」についての知識はなかった。

就労支援団体で働くことにより間接的ながら、
障碍者の役に立つことが出来れば、きっと
やりがいがあるに違いないと思った。


しかしそんな思いとは裏腹に、厳しい現実が
待ち受けていることを、私はまだ知らなかった。




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テーマ : アスペルガー症候群・自閉症スペクトラム
ジャンル : 心と身体

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